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数の分け方を知って「計算力」を鍛えよう

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今回は5歳頃のお子さまに向けた数の認識に関する知育をご紹介します。

ビー玉やおはじきなどを使って、「9」までの数の分け方について学んでいきましょう。数の分け方が何通りもあることを理解することによって、計算力の基礎を身につけることができますよ。

連数を分けて計算力を鍛える

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年中くらいになると、子どもはモノを見て「1つ、2つ、3つ」などと正確に数を数えられるようになってきます。
今回の知育では、「9」までの数を分けたりあわせたりしながら、足し算や引き算、割り算などの計算のしくみを学んでいきます。小学校の算数で必要になる計算力の基礎を鍛えられますよ。

「こっちはいくつ、あっちはいくつ」と遊び感覚で数を分けていくことによって、数量感や数字を扱う「記号的な思考領域」が刺激され、

●数量や数字を正しく認識する「受容的思考力」
●数量や数字の変化を推測する「集中的思考力」
●モノの数量と数字を行き来する「拡散的思考力」

などが磨かれます。

使い慣れた遊び道具を使って、数を扱う力を伸ばしていきましょう。

数える、分ける、合わせるで数に慣れる

足し算・引き算など簡単な計算の理解につながる、数を使ったあそびをご紹介します。
ビー玉やおはじきなどを数えて分ける「数分けあそび」と、隠した数を当てる「数かくしゲーム」です。
難しく考えず、楽しくやってみましょう。

2人に分けるといくつ?「数分けあそび」

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準備するものは、同じ大きさ・形で9個以上あるもの。ビー玉やおはじき、コイン、碁石などがおすすめです。

分ける数はあらかじめ決めておいてください。小さい数から始まって、だんだんと大きな数にしていくといいですよ。数を決めたら「ママと2人で分けよう」などと声をかけ、モノを分けていきます。具体的には次のようなやり取りで進めていきます。

【やりとりの例】

保護者さま「ビー玉が全部で9個あります。ここから4個ビー玉を取れるかな?」
お子さま「1、2、3、4…取れたよ」

保護者さま「ちゃんと4個取れたね。じゃあこの4個をママと2人で分けよう。同じ数ずつ分けてみて」
お子さま「ママもぼくも2個ずつだね」

保護者さま「ありがとう。今度はママの分を少なくしてもう一回分けてみて」
お子さま「じゃあママは1個で、ぼくは3個ね」

保護者さま「ちゃんとできたね。最後にもう一回集めてみよう」(全部合わせて「4」になることを確認する)
保護者さま「2個と2個に分けても、1個と3個に分けても、同じ4個だよね」

このあそびは、「4」が「2と2」「1と3」の2通りに分けられるように、数の分け方が1通りではないことを理解するのがねらいです。

小さい数からチャレンジし、「9」まで頑張ってみましょう。分け方がいくつもあるとお子さまは戸惑ってしまうかもしれませんが、そのときは「ママが2個だったら、そっちはいくつ?」などと導いてください。

また、お子さまがアクションを達成するごとに、「そう、○○だよね」と繰り返し確認するようにしてみてくださいね。

右はいくつ?左はいくつ?「数かくしゲーム」

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「数分けあそび」と同じくビー玉やおはじき、コイン、碁石などを準備し、さらにお菓子などの空き箱も2つ用意してください。ふたで開け閉めするタイプのものが望ましいです。

遊び方は以下の通りです。

①お子さまに決めた数だけモノを取ってもらい、保護者の方が2つの箱に分けて入れます。分けるときはお子さまに目をつむってもらってください。

②分け終えたら、片方の箱は中身が見えないようにふたをします。

③お子さまに目を開けてもらい、「右の箱には〇個入っています。ではふたが閉まっている左の箱には何個入っているでしょう?」とクイズを出します。

具体的には次のようなやり取りで進めていきます。

【やりとりの例】

保護者さま「ビー玉が全部で9個あります。ここから5個ビー玉を取ってみて」
お子さま「1、2、3、4、5…はい、どうぞ」
保護者さま「「ありがとう。じゃあちょっと目をつむっていてね」(「1と4」、「2と3」など数を分けて2つの箱に入れる。片方は見えないようにふたを閉じる)」

保護者さま「目を開けていいよ。さて、5個あったビー玉のうち2個は右の箱に入っています。じゃあ左には何個入っているかな?」

お子さま「えっと、3個!」
保護者さま「(ふたを開けて)そうだね。2個と3個と合わせて5個だよね」(このあと再度目をつむってもらい、分け方を変えてまたクイズを出す)

このゲームは、隠した数を当ててもらうことで、数の合成と分割について理解してもらうのがねらいです。

当てるのが難しい様子が見られたら、「あと何個あったら5になるかな?」「1個だったら全部で3だからまだ足りないね」などとヒントを出してみてください。

また最後に、「〇と〇、合わせて〇だよね」と合計を確認して、数の分け方を定着させていきましょう。

ふだんの生活に取り入れやすい数あそび

お子さまが数を扱うことに慣れてきたら、日常生活にも「数分け」を取り入れてみましょう。

例えばおやつを食べるときに、「全部で〇個あるね。2人で分けるけど、ママは1個少なくていいよ」などと声をかけ、子どもが自分で分けるように促すことができます。ごきょうだいやお友だちとおやつを分け合うシーンでも活用できそうですね。