
今回は3歳頃のお子さまに向けた言葉の理解に関する知育をご紹介します。
おうちのおもちゃなどを使ってお買い物ごっこをしながら、「おつかい」体験をしてみましょう。お願いされたものを正しく買うという行動を通して、相手の言葉を理解して行動する力を磨くことができますよ。
「おつかい」で言葉を受け取る力を磨く

モノや概念の理解が進む3歳頃のお子さまに、コミュニケーションの力を育んでいきたいと考える保護者の方も多いと思います。
そこでおすすめしたいのが、「おつかい」を通してお話を理解する練習です。
「おつかい」では、何を買うのか、どのくらい買うのか、どうやって目的地に行くのか。言われた通りに実行できるようになるには練習が必要で、コミュニケーションの基礎をつくるのにもってこいなんです。
とはいえ、この年頃の子どもが実際にひとりでおつかいをするのはむずかしいので、おうちのおもちゃなどを使った「おつかいごっこ」にチャレンジしましょう。
遊びながら何度もくり返すことで、相手の話を正しく受け取る力を磨いていけます。
「○○を買ってきて」「○個いるよ」などおつかいの中身を言葉で伝え確認し合うことによって、言葉の意味で物事を考える「概念的思考」が刺激され、
●言葉の意味を正しくとらえる「受容的思考力」
●さまざまな属性から何を表すかを類推する「集中的思考力」
●そのものがもつ属性を正しく説明する「表現的思考力」
●言葉からさまざまな属性を発想する「拡散的思考力」
などが磨かれます。言われたことを覚えておく必要があるので、「記憶力」も同時に鍛えられます。
言葉のやりとりを楽しみながら、「おつかいができた!」という達成感を育み、お子さまの言葉を扱う力を伸ばしていきましょう。
おつかいごっこで「言葉で考える」に慣れよう
おもちゃなどをたくさん並べて、おうちにお店屋さんを開きます。
野菜や果物のおもちゃで八百屋さん、えんぴつやノートを集めて文房具屋さん、おやつのお菓子を並べてお菓子屋さんなど、アイデア次第でいろんなお店が開けそうですね。
お店の名前と何を売っているお店なのかをお子さまと一緒に確認しながら、準備してください。
よく知らないお店があったら、その都度お店の役割について説明してOKです。
お店の準備が整ったらお買い物ごっこスタートです。兄弟がいるご家庭では、上のお子さまに店番をお願いしてみてもいいですね。
これを買ってきてね「おつかいゲーム」

あらかじめおつかいの内容を決めておき、「これを買ってきてね」と子どもにお願いします。
お願いするモノは、最初は1つ。回を重ねるごとに少しずつ種類や数を増やしたり、ちがうお店のモノと組み合わせたりして、複雑さを増していきましょう。
【おつかいの内容例】
●「八百屋さんでりんごを1個買ってきてね」
●「今日はカレーを作るから、八百屋さんで、にんじんとたまねぎを1個、じゃがいもを2個買ってきてね」
●「文房具屋さんでノートを1冊買った後、パンやさんでメロンパンを2個買ってきてね
どのお店で、何を、いくつとそれぞれの要素がきちんと子どもに伝わるように、はっきり・ゆっくり話してください。お願いした内容を子どもに復唱してもらうと、より理解してもらえますよ。
また、おつかいから帰ってきたら、買ってきたモノを一緒に確認してください。お願いした通りのものを買えていたら、「おつかいできたね!」と褒めてくださいね。
何を買ったらいい?「おつかいお願いあそび」

今度は子どもにお買い物の指示を出してもらいます。「今度はわたしがおつかいに行くから、○○ちゃんは何を買いたいのか教えて?」と尋ね、質問を考えてもらいましょう。
お店や買うモノをいろいろと組み合わせ、3つくらいの要素を入れたおつかいを考えるよう促します。
おつかいから戻ってきたら、中身を子どもに見てもらってください。自分がお願いしたものは何だったか、いくつだったかを子ども自身に確かめてもらいます。
おつかいをする側と頼む側、両方の体験をすることにより、言葉を受け取る力、発する力を養います。
何回もくり返すと、言葉で理解して行動することに慣れていきますよ。
達成感が大きい「はじめてのおつかい」
自分ひとりの力でこなすおつかい体験は子どもにとって喜びが大きいものです。お子さまがきちんと言われたことを理解して行動することができたら、思い切り褒めてくださいね。
「やった、できた!」という気持ちは、次の「やってみたい!」のやる気へとつながります。難しいお願いも、ひょっとすると本当のおつかいも「やってみるよ」と言ってくれるかもしれませんよ。