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秋の夜長にぐっすり眠る
ベッドルームを快適にする3つのこと

一級建築士事務所 OfficeYuu代表 Yuu

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コロナ禍を通じて、眠りが浅い、朝に起きられないといった睡眠に関する悩みを抱えている人が増えています。今回は、秋の夜長にぐっすり眠ってスッキリ起きる、睡眠環境の整え方と、快適なベッドルームの事例をご紹介します。

8割の人が睡眠の悩みを抱えている
ぐっすり眠れるベッドルームの条件

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テレワークが増えるなど働き方も変化しています。人は新しい環境に晒されるとストレスを感じやすくなり、睡眠にも影響を受けます。

「コロナ禍における働く男女の睡眠意識調査(※1)」によると、コロナ禍を通じて約8割の人が睡眠に悩みを抱えているとのこと。具体的な悩みには、「寝つきが悪い」「途中で起きてしまう」「朝スッキリ起きられない」などが挙げられています。

身体とこころの疲れを癒し、毎日を元気に暮らすためには、質の高い睡眠が必要です。寝つきよく、ぐっすり眠って、スッキリ目覚めるためには、適度な運動や規則正しい生活といった生活スタイルの見直しと共に、「睡眠環境」を適切に整えることも大切です。

中でも睡眠と深くかかわっているのが、「光環境」「音環境」「空気環境」の3つです。わが家のベッドルームを改めて見直して、少しでも身体と心を休めて毎日を元気に過ごしましょう。

※1) コロナ禍における働く男女の睡眠意識調査/ Emma Sleep Japan合同会社調べ

眠る前の「光環境」を整える
スマホや明るい光を見ない、間接照明の事例

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寝室のリフォーム事例です。明るすぎる照明は眠りを妨げてしまいます。優しい光が包み込む間接照明なら、まぶしさがなく、眠る前のひと時をリラックスさせてくれます(設計・施工:野村不動産パートナーズ)

ぐっすり眠って、すっきり目覚めるために、まずは「光環境」を整えましょう。質の高い睡眠をとるためには、眠る時は暗く、起きる時は明るくという光のメリハリをつけることが大切です。

人は暗い中で眠り、明るい光の中で目覚めるという睡眠のリズムを持っています。しかし現代の暮らしでは、明るい照明やテレビ、パソコン、スマホなどによって、このリズムが乱れがちに。特に注意をしたいのが、眠る前のスマホと寝室の照明です。

明るい光は目を覚ます作用があります。ベッドでスマホを見たり、ベッドルームの照明が明るすぎたり、光源が直接目に入ったりすると、目覚めの作用で睡眠の質が低下してしまいます。

ベッドにスマホは持ち込まない、寝室の照明やナイトスタンドの電球には白色よりもオレンジ系の色を選ぶ、光源が目に入らないよう形状や位置の工夫をするなど、睡眠前の光環境を整えましょう。

こちらの写真は、間接照明を取り入れたベッドルームの様子です。間接照明とは、光源から放出した光で壁や天井を照らす照明方式のことで、スタンドやスポットライトで壁を照らすようにすることでも間接照明風の演出ができます。

間接照明は光源が目に入ることなく、優しい明るさで部屋を包み込んでくれるので、眠る前のひと時をリラックスして過ごすことができます。

睡眠中の「空気環境」を整える
部屋全体を快適に、シーリングファンの事例

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天井を一部高くしてシーリングファンを取り付けたリフォーム事例です。やさしいそよ風を感じながら気持ちよく眠れそうです(設計・施工:野村不動産パートナーズ)

質の高い睡眠を取るためには、部屋内の「空気環境」を整えることも大切です。快適な寝室の室温は20度前後、湿度は50%前後が目安です。

注意したいのが、寒い冬に電気毛布などでベッドの中だけ暖かくして、部屋は寒いままにしてしまうこと。ベッド内が暑すぎると眠りが浅くなり、また起床時の部屋の室温が低いと、健康に悪影響を与えるという調査結果(※2)があります。

質の高い睡眠をとるためのベッド内環境は、布団内33度、湿度50%(※3)とされていますので、電気毛布のスイッチを入れたまま眠るのは避けましょう。

眠ってしまうと分かりにくいのですが、ベッドルームの空気環境を整えることは、睡眠の質を上げ、健康的に暮らすために重要な要素となっています。エアコンや加湿器を上手に活用して、部屋全体が快適に保たれるように配慮をしましょう。

こちらの写真は、天井の一部を高くしてシーリングファンを取り付けたベッドルームの様子です。暖気は上に、冷気は下にたまりやすいので、空気をかくはんすることでエアコンの効率をアップしつつ、優しいそよ風を感じながら気持ちよく眠ることができます。

※2)断熱改修等による居住者の健康への影響調査/国交省
※3)良い眠りが身体と心を癒す「ベッド内環境」の整え方

気付きにくい「音環境」を整える
騒音対策といびきの音を軽減する工夫

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今あるサッシの内側に取り付ける樹脂製の内窓。窓の断熱や防音性能が向上するので、エアコンが効きやすくなり、結露も軽減、静かな環境づくりができます(インプラス / LIXIL

ぐっすり眠るためには、眠っている間の「音環境」にも配慮が必要です。騒音は睡眠の質を低下させてしまいます。

WHOの夜間騒音ガイドラインでは、質の高い睡眠をとるためには30デシベル未満の環境が必要とされています。図書館の中が約40デシベルですから、かなり静かな環境が必要なのですね。

音環境を整えるポイントは2つ、ひとつめは外部からの騒音を防ぐことです。車の往来が激しい幹線道路沿いや、共用廊下に面している窓には内窓を取り付けると、静かな環境が作りやすくなります。

内窓とは、今ある窓の内側に取り付ける樹脂製の窓のことで、防音・断熱効果があるので、ベッドルームを静かにしてくれるのはもちろん、冷気の侵入を防いで冬は暖かく、結露も防ぎやすくなります。

2つめは室内で発生する音を軽減することです。固い素材は音を跳ね返すので、いびきや足音が響きます。ラグやカーテンなど柔らかい素材で覆うと反響音を防ぎ、静かな環境を作ることができます。また夫婦のベッドを少し離して、間に遮音カーテンを吊るすアイデアもあります。

質の高い睡眠は毎日の活力を生み出してくれます。ベッドルームの光環境、空気環境、音環境に配慮をして、ぐっすり眠って毎日を元気に、はつらつとお過ごし頂ければと思います。

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※コラムの内容や掲載商品は執筆時の情報であり、予告なく変更される場合がございます。最新情報をご確認ください。実施する際は、お客様ご自身の責任において行っていただきますようお願い申し上げます。

Yuu

一級建築士事務所 OfficeYuu代表 Yuu

一級建築士、 インテリアコーディネーターとして数多くの現場経験や相談実績をもち、住宅リフォームコンサルタントとして快適な住まいづくりのノウハウを発信している。