家庭で消費しているエネルギー割合をご存じですか。何にどれくらいが使われているかを知ることで、効率よくエコな暮らしが実践できます。家で過ごす時間が増え、家庭での省エネ対策が重要な時代です。今回は、消費量が多いものをピックアップ、省エネな家にする工夫をご紹介します。
家庭で消費しているエネルギー割合
多いものから効率よく対策
地球環境の観点や、昨今の光熱費の値上がりにより、省エネな暮らしが必要な時代です。その際には、どこで、どれくらいのエネルギーが使われているか?家庭でのエネルギー消費の実態を知ることで、より効率よく省エネ対策ができます。
こちらの円グラフは、家庭で消費するエネルギーの用途別割合です。暖房とお湯を沸かすために使われているエネルギーで半分以上を占めています。冷房の割合は全体から見ると少ないようですが、その割合は年々増加しています。
家電類が消費するエネルギーも見逃せません。冷蔵庫や洗濯機を動かす動力や、照明器具などで3割以上を占めるなど、かなりの量であることが分かります。
電気エネルギーを節約
LEDへの交換と冷蔵庫がカギに
まずは手軽にできる節電の工夫からご紹介しましょう。こちらは、家庭で使用している電化製品の消費電力量の内訳です。これを見ると、何に電気がたくさん使われているかがよく分かります。
1位の冷蔵庫は、家電の中でも特に消費電力量が大きなものです。使い方や設置環境、性能によっても使う電気の量が変わりますので、上手に使って省エネにつなげましょう。
ポイントは、むやみに庫内温度を上げないようにすることです。ドアの開閉の回数を減らす、詰め込み過ぎない、熱いものはさまして入れるなど、ちょっとした暮らしの工夫で節電になります。
また冷蔵庫は外部に放熱をする必要があり、本体の側面や上部などに適切なスペースが必要です。物などでふさぐと効率が落ち、電気の無駄遣いにつながります。
冷蔵庫の性能によっても消費電力は異なります。冷蔵庫の省エネ化は目覚ましく、最新のタイプはとてもエコ。10年を過ぎているなら、そろそろ寿命ですから、買い替える手もあります。新しい冷蔵庫は、内部が広く使えたり、野菜や肉、魚などを美味しく保存してくれたり、使い勝手も向上しています。
2位の照明器具はLEDへの交換を。人感センサー式の電球を使って消し忘れを防ぐアイデアもあります。
3位のテレビは、節電機能がある場合は活用し、ゲームに使ったら忘れずに消しましょう。長時間使わない場合は、コンセントを抜いておくと待機電力を節約できます。ただし予約機能などが働かなくなりますので注意を。
暖房便座や食器洗い機にもエコモードが付いている機種があります。無駄な電気を使わないよう、設定を見直してみるといいでしょう。
給湯エネルギー消費を節約
無駄なお湯を使わない工夫
家庭で消費するエネルギーの3割近くが、お湯を沸かすためだけに使われています。節湯をすれば節水にもなり、マンションや浄水場のポンプに使用する電気も節約できるようになるので、社会全体の省エネにつながります。
まずはお湯をたくさん使う浴室から。一般的なシャワーの吐水量は1分間でおよそ10リットル、15分でおよそ浴槽1杯分になります。そこで活躍してくれるのが、節水シャワーヘッドです。
こちらの写真のシャワーヘッドは、エアインと手元のクリックでこまめに出し止めをすることで、従来品に比べて約48%のお湯を節約できます。
これは水道代とガス代で年間約21,500円、CO2約202kgの削減効果(※1)があります。毎日たくさんのお湯を使う場所だけに、シャワーヘッドひとつでこれだけの大きな効果があります。
(※1)TOTOによる試算、条件により効果は異なります。
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キッチンで食器洗い機を活用することも、省エネにつながります。
資源エネルギー庁の試算によると、お湯で手洗いをする場合はガスと水道で約25,560円の光熱費が掛かるのに対し、食器洗い機なら電気と水道で約16,990円、食器洗い機のほうが年間約8,570円安くなる(※)としています。
更に、使い方にもひと工夫。食器が少ない時は少量コースを選ぶ、汚れは前もってぼろ布や新聞紙などでふき取っておくなどの工夫で、さらに省エネ効果が高まります。
他にも、歯ブラシの先を濡らす時などは、忘れずに水に切り替えておくなど、毎日の暮らしの中でお湯を意識することで、給湯のためのエネルギーを節約していくことができます。
(※1)資源エネルギー庁による試算、条件により効果は異なります。
冷暖房エネルギー消費を節約
季節に合わせて窓の断熱・遮熱を
冷暖房のためのエネルギーを削減するためには、窓の対策が効果的です。冬の寒さや、夏の暑さは主に窓から入ってきています。
冬の寒さを防ぐためには、窓から冷気が浸入しないよう、断熱性能を向上させましょう。特に寒さを感じる部屋はカーテンの代わりに断熱シェードを取り付けると、暖かさを保ちやすくなります。
リフォームを検討しているなら内窓の取り付けが手軽です。内窓には断熱に加えて、防音性能も向上させ、結露を防ぐ効果も期待できます。
夏の暑さを防ぐためには、窓から入ってくる日射熱を遮りましょう。日当たりのいい部屋は気持ちがいいものですが、夏は太陽光が運んでくる日射熱が室温を急上昇させます。
外出中は遮熱カーテンで窓をしっかり覆い、直射日光を入れないようにすると、室温の上昇を防ぎやすくなります。室内を明るく保ちたい場合は、遮熱性能を持ったレースのカーテンを使うのもいいでしょう。内窓を取り付ける場合は、遮熱ガラスを入れると暑さ対策にもなります。
帰宅時にもわっとした暑さを感じる時は、エアコンのスイッチを入れる前に、窓を開けて換気を。その際は自動運転にしておくのが、省エネの秘訣です。
忘れがちなのがエアコンのフィルターや室外機の清掃です。汚れがひどいとエアコンの効率が落ち、無駄なエネルギーを消費します。適切なお手入れをすることもエコな暮らしには欠かせないこととなります。
エネルギーの見える化で
暮らしの中の無駄が分かる
より効率的に省エネな暮らしをするのに役立つのが、エネルギーの見える化です。HEMS(ヘムス)と呼ばれる、家庭で使うエネルギーを管理するシステムがあれば、いつ、どこで、どれくらいのエネルギーを消費しているかを、知ることができます。
プラウドマンションシリーズでは、2013年から、総戸数19,619戸(22年6月時点)に、次世代型マンション用のスマートマンションエネルギーサービス「エネコック(enecoQ)」を導入しています。
これは必要なエネルギーをマンション全体で管理し、省エネな暮らしを上手にサポートしてくれるシステムです。専用ホームページを見ると、30分単位の使用量が料金単価別にグラフで表示されるので、わが家のエネルギー消費の実態が分かります。
大事なことは、エネルギーの無駄遣いを減らすこと。便利に快適に暮らしながら、地球にも家計にも優しい暮らしを目指しましょう。
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