インテリアになじませるには、「額装」から考えてみる
アートの楽しみ方には、色々な考え方があるかと思いますが、好きな作品を主役にしてそれ自体を鑑賞するだけでなく、空間に溶け込ませるようにする手法もあると思います。
お手持ちのアートがどことなくインテリアから浮いて見えるという場合には、額装を変えてみてはいかがでしょうか。
額装は作品に合わせて選ぶこともありますが、お部屋のマテリアルにつなげることを考えながら選ぶと全体に統一感が生まれます。
ポイントは、インテリアのカラーや家具の色味。
お住まいを購入されたとき、基調になるカラースキームも選ばれていると思いますが、額縁の木の色をその色調に合わせたり、お手持ちの家具の色味に合わせると空間になじむようになることが多いです。
もう少し軽い感じに見せたいときは白の塗装仕上げ、華やかに見せたいときは、ちょっとデコラティブなものを選んだり、あえて額装をしないでモダンに見せるのも素敵なのではないでしょうか。
マット紙の質感や色にこだわって、印象を変えてみる
作品と額縁をつなぐマット紙選びもポイントです。
ナチュラルなイメージにしたいときは、リネンにすると柔らかい印象になりやすく、よりモダンにしたいという場合には、少しラメが入っているものや、見せ方によっては黒やグレーにするなど、質感や色にこだわってみても素敵かもしれません。
額縁もマット紙も、アートを引き立てるためのものではありますが、そこでイメージをつくることもできます。
額縁画材店などに行くと、額縁とマット紙の組み合わせのサンプルがたくさんありますので、作品とご自宅のインテリアの写真などをお店に持っていって、相談してみてはいかがでしょう。
エッチングやフォトアートなどもいいですが、ファブリックや和紙など身近な素材をアートとして額装したり、パネルにしたりして楽しむのもおすすめです。海外ブランドのファブリックなどは、そのままアートになるような素敵なものが多くて、布という素材の特性からも生活空間によくなじみます。
額装する場合はご自分ですると生地が縒れやすいので、ショップにお願いしてみてはいかがでしょう。
パネルは側面を同じ素材で巻き込めるので、布や和紙と相性がよくて、飾ったときに立体感が出ます。
パネルにして販売しているインテリアショップもありますので、チェックしてみるのも楽しい時間になると思います。
ファブリックや和紙を、暮らしに溶け込むアートに
和紙は掛けるだけでも雰囲気がつくれるアイテムだと思います。
京都にある伝統工芸品を扱っている六々堂では、作家が染色した和紙も扱っているのですが、ポールのような長さのあるものに質感のある和紙を掛けてクリップで挟み、ショップの天井から素敵に吊るしていました。
作品のお値段もおおよそ5万円前後、もう少し気軽に購入できる価格帯のものもあり、アートとしては手頃で取り入れやすいのではないでしょうか。
手前に小さいコンソールのようなものを置いて、季節のお花を飾ったりしてもいいですね。
こういう簡単にできる「しつらえ」は日本の住文化にもなじみやすいと思います。
アートにはこれという決まりはないので、発想を変えていろいろなアイデアにチャレンジしてみるのも楽しいと思います。
フォトアートをサイズ違いで並べて、空間に動きを
アートを飾る場所ですが、部屋の中で壁が白く寂しく感じるところに掛けてみると、とても印象が変わります。
家の中でいちばん最初に目につく玄関に飾るのもおすすめですが、ピンを打つのはちょっと勇気がいるという場合は、カウンターの上に立てかけるだけでもいいと思います。
飾るときには大きいものを1枚というだけでなく、同じサイズの、同じシリーズのものを3枚ぐらい並べるという見せ方もあります。
フォトアートなどでは、サイズ違いのものを組み合わせるのもいいですね。
同じ作家の作品を数点、額装は同じにして、サイズと形をそれぞれ変えるなど少し工夫を加えると、空間により動きが感じられると思います。
アートのサイズや重さに合わせた設置方法を
飾る位置は、天井の高さや壁の大きさとのバランスを考えて決めるといいと思います。
位置を決めるときは、少し引いて見てみると、空間とのバランスを確認しやすくなりますのでぜひ試してみてください。
額縁の裏面に吊り紐がありますが、掛けたときに壁のフックとの間にズレが生じやすいので、その長さを確かめた上で位置を調整してみてください。
天井にピクチャーレールが付いていれば調節も簡単ですが、無い場合はホームセンターや額縁画材店などで専用のフックを選ぶことをおすすめします。
軽いアートなら壁紙を傷つけにくい両面テープもありますので、サイズや重さに合わせて適切な設置方法を選びながら、アートやオブジェを設えることで自分だけのこだわりのスペースがつくれ、心が癒され日々の暮らしが楽しく豊かになっていくでしょう。
ぜひ自分らしいアートのある暮らしを楽しんでみてはいかがでしょうか。