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Vol.9「おもてなしのテーブルコーディネート」前編

インテリアデザイナー 大橋規子

テーブルコーディネートというとあれもこれも全部揃えてと考えてしまいハードルが高い、とお考えのも多いかと思います。今回は今お持ちのアイテムでお家で簡単に出来るテーブルコーディネートについて大橋さんに教えていただきました。

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大橋 : 今回ご紹介させていただくものは私の手持ちのアイテムばかりです。皆様も食器等、色々とお持ちだと思いますのでご家庭にあるアイテムで肩ひじ張らず、でもおもてなしの気持ちが伝わるコーディネートについてお話しさせていただきます。

- テーブルコーディネートをおもてなしという意味で作ろうと思ったときに、お料理は当然ありきだと思うんですけれども、その他の部分で例えばこのお皿を使いたいからとかっていうところから入るという考えもあるものでしょうか。

大橋 : もちろんそれもあると思います。お料理がお好きでお料理に合わせて器を選ぶ方もいらっしゃると思いますし、食器がお好きな方は、今日はこういうお客様をお招きしているからこの器を使おうとか、こういうシーンとして見せたいからこの器を、と選ばれることもあると思います。

- お招きするお客様の顔ぶれでコーディネートが変わってくる、ということでしょうか。

大橋 : はい。やはり変わってくると思います。例えばレースを使ったものですと女性的でエレガントな印象になりますので例えばママ友をお招きして、というシーンが似合うと思います。逆にマットな質感の器やカラトリ―を選ぶと少しシックでモダンな印象になりますので男性がいらっしゃるシーンでも素敵です。 あとはそのテーブルをどういうイメージにコーディネートしたいか、も大きい要素になります。 例えば、ガラスの食器を使うと透明感のある涼しげな印象になりますし、マットなものを中心に使うとハードになりすぎない上質感が演出できます。また、ぽってりとした厚みのある陶器を使うと温かみのあるナチュラルな印象になります。

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- たしかにレースを使っているものの方が女性的な印象ですね。

大橋 : お花もレースを使ったほうは少し華やかな彩りのあるものを意識して選んでいます。

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大橋 : 逆に少しモダンなコーディネートで見せる場合にはすっきりした姿が個性的なものを選んでみました。どちらも夏らしい季節感のあるお花を選んでさりげなくコーディネートしています。また、お食事の邪魔にならないように香りの強くないお花がおすすめです。テーブルコーディネートも季節感が感じられるほうが楽しいですね。これが冬だったらお花の種類ももちろん、花器も違ったものになりますし。

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- 今見せていただいているものはまさに夏らしい光に映えるコーディネートだと思いますが今回のポイントとなるところはどのあたりでしょうか。

大橋 : 一番下に使っているガラスのプレートですね。先ほどはレースのランチョンマットを敷いていましたが、アンダープレートとしてお皿の下に敷くランチョンマット代わりにしてもコーディネートとしては完成します。あとはカラトリ―を光沢のあるものにしたりするとまた印象ががらっと変わって楽しめたりします。

- カラトリ―を何種類もご自宅で揃えていらっしゃる方は少ないと思いますが、ある程度応用がきくというか一番最初に揃えるのだったら、というものだとどういったものになるのでしょうか。

大橋 : 少し光沢のあるシンプルなものをきちんと揃えておいて、その次のお楽しみとして少し違ったイメージのものを買いたしていくのがいいのではないかと思います。あとテーブルコーディネートとして一番遊び心を発揮できるのはファブリックだと思っています。同じお皿を使っていてもランチョンマットを変えるだけで雰囲気が変わりますしカラトリ―をたくさん揃えるよりも気軽に楽しんでいただけると思います。

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- ファブリック、ですか?

大橋 : はい。こちらは横長のテーブルランナーを縦に流して使ってみました。夜のもっと華やかなおもてなしのお食事だったらこういったコーディネートも素敵だと思います。例えば年1回のクリスマスにちょっとドレスアップして友人をお招きする時なんかに。

- 大人だけのシックなお食事、という印象になりますね。

大橋 : そうですね。日常的にここまでは中々ないとは思いますが例えば休日に少し遅めに起きてゆとりをもってブランチを、という時にお皿だけで頂くのも悪くは無いですが、ランチョンマットを1枚敷くだけで食卓が、もっと言ってしまえば自分の暮らしがワンランクアップできるのではないかと思います。

- 同じお料理でももっと美味しそうに見えたり。

大橋 : そうなんです。同じお料理を頂くのでも気持ちがより豊かになりますし、お料理を作るのもわくわくしますね。

- たしかに日常がちょっと変わってもっと豊かな暮らしになると思います。もちろんランチョンマット敷いて汚したら洗わなきゃいけなかったりしますが(笑)。

大橋 : 確かにお手入れは必要ですが最近は色々な素材のものや汚れにくい素材のものなどもすごくバリエーションが豊富に出ていますので思っているほど大変ではないと思いますよ(笑)。

次回後篇ではそういった色々な素材のものも含め、ファブリックについてももう少し詳しくお話を聞いてみたいと思います。

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エンネデザイン株式会社 代表取締役
インテリアデザイナー 大橋規子

主に分譲マンション専有部のモデルルームデザイン、カラースキーム、仕上仕様デザインを中心にインテリアコンセプト、インテリアプランからディスプレイコーディネートまでトータルに住空間をデザインしています。